和白干潟の子ども調査隊 ガタレンジャー 2016年調査報告書

ガタレンジャーでは子どもたち自身で、和白干潟の4ヶ所と有明海で5回の干潟調査を行い、違った環境のいろんな生き物たちと出会い、干潟の大切さ、楽しさ、感動を体験しました。

干潟ってどんなところ?

一日に2回、海の潮が引いた時に現れる陸地が干潟です。
潮が引いている時には陸地で、潮が満ちてる時は海の底になります。
目立たない場所ですが、とっても大切な働きをしている環境です。

第1回目のガタレンジャーの始まりは、和白公民館の学習室です。
最初に目的やスケジュールを確認した後、バケツやスコップを持って、干潟へ行きました。

干潟に降りると、すぐ足元にはウミニナや、ヤドカリがたくさんいます。砂っぽい場所にはコメツキガニ、石の下にはケフサイソガニがいます。
タマシキゴカイの巣や、卵隗、マメコブシガニ、スジハゼなども観察しました。

干潟に2本出ているのはツバサゴカイの棲管です。

ツバサゴカイの棲管は、泥の中でU字型につながっていて、その中にツバサゴカイが住んでいます。

ツバサゴカイは、その中で一生過ごします。

掘ってみると、とても不思議な形をしていました。

他にもスナイソギンチャクの仲間なども見つけることができました。

第2回目は、「あいたか橋」から「唐の原川」までです。
潮が引いた時にしか歩けない磯干潟の約1.5Kmのコースです。

最初の観察は、あいたか橋の上から干潟を見ました。
ヤマトオサガニがエサをとっている様子や、ぴょんぴょん跳ねるトビハゼが見えました。
干潟へ降りて行くと、崖の断層のすき間にたくさんのカニが隠れています。
真っ赤なアカテガニもいました。

足元にはスプーンのような葉の形のハマサジがありました。
干潟特有の塩生植物もたくさん見られました。

水路でチチブを捕まえたり、磯場でイソテッポウエビや、アナジャコ、ヒメケハダヒザラガイなど、たくさん見つけました。
小さなウロコムシも見逃さずに採取しました。

潮だまりでは、オゴノリやアオノリの海藻も観察できました。
42種類の生きものたちと出会いました。

第3回目は佐賀市の「東よか干潟」と、鹿島市の「七浦干潟」に行きました。

東よか干潟は、2015年にラムサール条約に登録された干潟です。
トビハゼや、シオマネキなどがすぐそばで観察できました。
アリアケガニや、クシテガニなど、和白干潟にはいないカニも見つけました。

七浦干潟は「ガタリンピック」の会場として有名で、干潟展望台もあります。
ここでは干潟にたくさんいる、ムツゴロウを観察することができました。

潮の干満を利用して、魚を獲る、有明海の伝統漁法「棚じぶ」も見学しました。

ガタレンジャーは、日本一広大な有明海の泥干潟に感動しました。

第4回目は、雁の巣干潟での調査です。
干潟に入ると、ウミニナが一面にいて、ゴカイの巣穴も沢山見えます。
コメツキガニが忙しく動いていたり、アシハラガニがファイティングポーズで警戒しています。
潮だまりを覗くと、小さなハゼやエビの仲間、ヤドカリなどが動き回っています。

カキが付いた石をよく見ると、ウミニナや、アマガイ、タテジマイソギンチャクなど、7~8種類の生き物がくっついています。

その石をひっくり返すとケフサイソガニや、イソゴカイなどがいることがわかりました。

干潟の石にこんなに多くの生物が暮らしていることを知ることができました。

干潟の泥を掘って、ふるって、小さな生きもの探しをすると、ウミニナ、アラムシロガイ、ゴカイ、アサリ、オキシジミ、マテガイなどがたくさん出てきました。 泥の中にもたくさん小さな生きものたちが暮らしています。

そのほか、綺麗な砂浜にしか生息していない、とても珍しいスナガニを見つけることができました。

本当に干潟は、生物多様性の大切な場所だとわかりました。

ガタレンジャーの5回目は、バードウォッチングです。
最初に香住ヶ丘公民館で、渡り鳥の生態やルートについて学習しました。
干潟に出かけると、いろんな種類の水鳥たちがたくさんいました。
岸辺に近いところにいる陸ガモ類は、ヒドリガモ、オナガガモなどで、アオサを食べているところを確認できました。
沖のほうには、海ガモ類の、スズガモ、ホシハジロなどが見えます。

絶滅危惧種のクロツラヘラサギの他、ミヤコドリやハマシギの群れも観察しました。

干潟は渡り鳥たちの、大切な場所だということが、わかりました。
見つけた種類は25種類です。

6回目はこれまでの5回の調査のまとめとワークショップをしました。
ガタレンジャーたちが一番気になった生き物の研究発表をしたり、和白干潟の面白いところ、残念なところ。和白干潟の未来。などについてガタレンジャーの思ったことを話し合いました。
最後は大きな干潟の景色を描いたタペストリーに、ガタレンジャーが、自分たちが布や紙を使って作った、たくさんの生きものたちを貼って、“命あふれる和白干潟”を、のタペストリーを完成させました。

ガタレンジャーは、和白干潟でたくさんの生きものたちと出会いました。
干潟の大切さや面白さを学びました。
これからもガタレンジャーは干潟の調査を続けます!!


ガタレンジャー2016の活動


第1回目
和白公民館の学習室(レクチャー)その後、和白干潟にて調査

第2回目
「あいたか橋」から「唐の原川」
潮が引いた時にしか歩けない磯干潟の約1.5Kmのコース

第3回目
佐賀市の「東よか干潟」と、鹿島市の「七浦干潟」にて調査
(東よか干潟は、2015年にラムサール条約に登録された干潟)

第4回目
雁の巣干潟での調査

第5回目
バードウォッチング
最初に香住ヶ丘公民館で、渡り鳥の生態やルートについて学習しました

第6回目
これまでの調査のまとめとワークショップ

ガタレンジャーは、和白干潟でたくさんの生きものたちと出会いました。
干潟の大切さや面白さを学びました。
2017もガタレンジャーは干潟の調査を続けます!!



香住ケ丘周辺の和白干潟

和白干潟の子ども調査隊 ガタレンジャー 香住ケ丘周辺で珍しい巻貝をみつけました。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

香住ケ丘公民館での「まとめ」

ガタレンジャーでは、毎回、みんなでその日の感想を書いてます。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

道の駅鹿島前 有明海の干潟

道の駅 鹿島の干潟 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

2016 和干潟の子ども調査隊 ガタレンジャー mission 4 雁の巣干潟のわくわく調査の様子